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[ソリーヴライド 特別対談] ゼロ・エミッション社会の実現に向けてEV+太陽光発電に大きな期待を

日産自動車とカナディアン・ソーラー・ジャパンは2019年5月、電気自動車(EV)と太陽光発電商品による新たな協業を行う事を発表しました。これは日産のEV「日産リーフ」と、カナディアン・ソーラーの次世代エネルギー蓄電パッケージ「SOLIEV(ソリーヴ)」を組み合わせた新たなソリューション「SOLIEV RIDE(ソリーヴライド)」の販売促進活動をそれぞれのセールスネットワークにおいて行うというものです。今回は、日産自動車株式会社 日本EV事業部 部長 小塚功子氏(本役職は、対談実施時点)とカナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社 代表取締役 山本豊による対談を実施。協業について、ゼロ・エミッションへの取り組みから太陽光発電やEVの将来についてなど、広範囲に渡った対談内容をお届けします。

世界に目を向け、CO2削減に貢献を

山本 太陽光発電市場を牽引してきた固定買取価格(FIT)による買取期間が満了になる住宅が増え、市場は転換期を迎えています。環境保全に向けたCO2削減や再生可能エネルギーによるエネルギー確保に取り組む企業が増えてきました。日産でもゼロ・エミッションを掲げるなどされていますが、実際にはどのような取り組みをされているのでしょうか。

小塚 私たちはクルマの開発・販売を通して、CO2削減に貢献することが大きなポイントと考えています。具体的には、例えば車を電動化して排出する物質を少なくすることを目指しています。「ノートe -POWER」は、ガソリンエンジンによって発電し、作った電気を使いながら走るという車です。これが発売から1年ほどで日産においても50年ぶりという登録車№1の販売台数*¹となりました。最近では「セレナ e -POWER」も発売し、車の電動化を通したCO2削減への取り組みを強化しています。そして、その究極の形がゼロ・エミッションのEVとなります。

2018年度累計、軽自動車を除く登録車ベース

山本 明らかに業界を1歩、2歩リードしている印象があります。

小塚 日本だけで見ると、EVの販売台数は日産が圧倒的に多いですが、世界に目を広げて見ると、EVを製造・販売している会社は多くあります。視野を広げ、切磋琢磨しながらより高性能なものを造っていく必要があると思います。

山本 世界に目を向けるのは重要ですね。

小塚 太陽光発電に関してはいかがでしょうか。これから日本で、そして世界的にも需要は高まっていきそうですか。

日産自動車株式会社日本EV 事業部 部長 小塚功子氏

カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社代表取締役 山本豊

山本 日本に関して言えば、卒FITを迎え投資を目的とした太陽光発電という考え方はなくなり、これと同時にお客様の目的は非常に多様化していくでしょう。個人住宅では、災害時の備えという点で関心は高まるでしょうが、加えて経済性、つまり今の電気代より安くなるか、という点も重要です。ここを訴求していけるかどうかが需要拡大のポイントになると思います。また産業市場ではまさに世界レベルの話で、パリ協定をきっかけにCO2削減が全体的な動きとなっており、この流れは止まることがないでしょう。グローバルな企業がCO2を排出している会社とは取引をしない、という動きも出てくるでしょうし、アメリカのカリフォルニア州やニューヨーク州のようにすでに独自の法案でカーボンフリーの方向に進んでいる自治体もある。再生可能エネルギーへの期待は大きくなる一方だと思います。

自信をもって商品を売るために慎重な準備が必要

山本 今回、日産とカナディアン・ソーラーの両社において「ソリーヴライド」の販売において協業することとなりました。弊社は、もちろん太陽光発電を軸にした事業を展開してきましたが、近年では蓄電池などとの組み合わせもニーズが高くなり、積極的に取り組んでまいりました。そしてそれをさらに進化させたEVと太陽光発電との統合をぜひ実現したいと考えてきたのですが、御社との協業でそれがやっと形になったと思っております。9月より弊社で販促キャンペーンも開始しておりますが、とにかく新しい試みなので、ここに至るまで、お互いかなり時間がかかりましたね。

小塚 日産でも、EVと何かを組み合わせるという考えは常にあるのですが、これはなかなかハードルの高い話です。というのも、車は命に関わる商品ですし、そこに別の何かを付けて売るとなったら、それに関しても確実に理解しなければならないわけで、お客様にきちんとご説明できるようになるために慎重にならざるを得ないのです。そうした事を乗り越えて決まった「ソリーヴライド」の協業ですので、これからも焦らず丁寧に進めていきたいと思います。

山本 御社内や販売会社での反響はありますか。

小塚 はい。5月の発表以降、すでに一部の販売会社とは売っていきましょう、という話も出ており、「ソリーヴライド」への期待は高まっています。ただ現場でディーラーが自信を持ってお客様に売ることが出来るようにするためには、商品を深く理解していなければなりません。それにはトレーニングが大切で、時間が必要です。新しい事というのは、最初はあまり動きがなくても、突然拍車が掛かるタイミングがあります。そのときに備えて、万全に調えておきたいと思います。

山本 現在、販売会社はどれ位あるのですか。

小塚 今122社あり、店舗としては2075店になります。新車を発売するときには、この全ての販売会社への勉強会として、4〜5ヶ月は必要になります。特にEVに関しては、様々な質問に答えられるようにするには、本当に時間をかけて勉強する必要がありますね。「ソリーヴライド」に関しては車とは別物となるので、なおさらです。

山本 ところで、「日産リーフ」を購入するお客様の特徴というのはありますか。

小塚 「日産リーフ」は発売から9年目となりますが、初期のお客様はどちらかというと、新しい技術にトライしたいという方が多かったようです。ですが、2017年の新型モデル発売以降は、数ある車種の選択肢の1つとして考える方が増えたように感じます。これは、口コミなどを通じて評判が良かったこと、そしてEVが理解され認知されてきたことが大きいと思います。また最近では、太陽光発電システムを設置しているお客様が、卒FITを迎えるのを機にクルマをEVに変える事を検討している、というケースもありました。9年経ち、お客様の傾向はずいぶん変わってきました。

EVと太陽光発電の様々な可能性に期待

山本 太陽光発電とEVとの連携について、今後の可能性はどう思われますか。

小塚 「ソリーヴライド」は一般家庭のお客様が対象の商品ですので、「卒FIT」も大きなきっかけとなり注目されるのではと期待しています。今のところ新車との連携を前提としていますが、いずれは「日産リーフ」中古車との組み合わせも検討していきたいですね。中古車の運用はより複雑になるので、簡素化する方法を考えなければなりませんが、販売会社も中古車の有効な提案を常に探しています。「ソリーヴライド」によって新しい価値を生むことができるかもしれません。

山本 実は弊社も最初、「ソリーヴライド」は中古車利用での提案を考えておりました。ただ、御社との協議の中で、中古車の販売ルートはかなり複雑で、新車ルートと異なりいろいろな面で難しい部分があることがわかり断念したのですが、もし今後実現すれば、価格面でも魅力ある展開が可能になりますね。

小塚 弊社としてはそれ以外にも、V2H*²とEVを組み合わせて産業利用する将来像も描いています。産業分野でエネルギーマネージメントという考えが出てこないと、最終的なピークカットやCO2削減にはつながらない。ここをどう開拓していくかが、次のステップですね。

「Vehicle to Home」の略。EVのバッテリーに蓄えた電気を家で使う仕組みのこと、およびその総称

山本 「ソリーヴライド」も、いずれは産業用としての展開を期待しています。近年、蓄電池の価格は下がったとはいえ、まだまだ高額ですし、何かと規制も多い。それに比べるとEVを蓄電池として利用することは、コストの面でも圧倒的に有利です。産業利用を考えると、まだパズルのピースが1つ足りないような気がしますが、これが埋まれば一気に広がっていくのでは。今後も様々な業界の方と協議をしながら、足りない1ピースを見つけていきたいと思っています。

小塚 多くの可能性があり、ワクワクしますが、まずは「ソリーヴライド」から1台目となる販売の実現ですね。

山本 その通りです。まずは今回の販売、そして中古車利用、産業用展開まで見据え、これからぜひ末永くよろしくお願いします。

「日産リーフ」も展示されている日産グローバル本社ギャラリー

Photo: Daigo Onozuka
(対談 2019年8月)