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Gift from the Sun
神の使いとして崇めらた
森に棲む白いクマ
カーモード・ベア

 茶色がかった白い被毛を持つクマ。一見ホッキョクグマと見間違うような美しさですが、実はこれはクロクマの亜種でカーモード・ベアといわれるクマです。
 白い被毛は、突然変異ではなく、白い毛の遺伝子を持つ親同士の交配によるもので、10頭に1頭の割合で生まれてくるといわれています。生息地はカナダの西海岸、ブリティッシュ・コロンビア州の「グレート・ベア・レインフォレスト」といわれる、手付かずの大自然地帯。このエリアのみに、約400頭が生息していると推測されています。

先住民は、その存在を秘密にして神聖さを守ってきたと言われる(Photo: Getty Images/Flickr)

バンクーバーの約500㎞北、入り組んだ海岸線や無人島が点在する温帯雨林グレート・ベア・レインフォレストが生息地(Photo: Destination BC/Clare Levy)

 1905年、カナダの動物保護活動家によって発見されたカーモード・ベアですが、その存在は、この地の先住民たちには以前から知られていました。
 先住民の伝説では、世の創造主であるワタリガラスが、世の中を氷河時代から緑豊かな大地へと変えた際、氷の世界も忘れず平和に暮らすための象徴として、白いクマを作ったと伝えられています。つまり先住民にとってこのクマは神の使いのような存在であり、「スピリット・ベア」(精霊のクマ)として畏敬の対象となっていました。
 体重は70〜140kg。エサは木の実や果実、草、昆虫やサケなど。夏の間「グレート・ベア・レインフォレスト」では、先住民の集落をベースに、ボートなどを利用してカーモード・ベアの観察を行うエコツアーが行われています。

グレート・ベア・レインフォレストのベラベラ周辺などで観察ツアーも実施されている(Photo: Destination BC/Yuri Choufour)