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Do Something for Earth
カナディアン・ソーラーのこころみ
「みんな前を向いていてパワーがある。
これからも自分で考えて切り開いていこう!」
川﨑宗則選手による「恩返し夢授業」 in 飯館村

今も避難が続く飯館村の中学生たちを励ましたいと行われた「恩返し夢授業」。スポーツを通じて社会貢献事業などを行う一般社団法人ダブルエデュケーションが主催するこのイベントに、カナディアン・ソーラーも一昨年に引き続き、協力しています。

今も避難が続く飯館村へ

 2014年12月、小雪が舞う福島県飯館村に、メジャーリーガーの川﨑宗則選手が訪れました。トロント・ブルージェイズで活躍し、北米でも大人気の「ムネリン」こと川﨑選手ですが、この日はムネセン=宗則先生として登場。2011年に発生した東日本大震災後、原発事故の影響でいまだ全村に避難指示が出ているこの地で、復興支援イベント「恩返し夢授業」が行われ、小・中学生たちを相手に熱い時間を過ごしました。

 イベント当日の午前中、川﨑選手は飯館村の菅野典雄村長と共に、人けのない村内を視察。村は現在、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の3つの避難指示区域に指定されており、避難指示解除準備区域であっても宿泊はできない状態です。

のどかな村のあちこちにフレコンバッグが置かれた異様な光景

 人の姿の代わりに目に入ってくるのは、いたるところに積上げられた「フレコンバッグ」という汚染土を入れる黒い袋や、立ち並ぶ「除染作業中」の旗。豊かな自然のなか、その異様な光景を目にした川﨑選手は、「こんなにきれいな村なのに、目に見えない危険があって、避難しなきゃいけないなんて…。ショックですね」と改めて深く驚き、いかにももどかしそうな様子でした。

村の厳しい状況を説明しながらも「後ろばかり見ていても仕方ない」と語る菅野村長 避難指示解除準備区域にある飯館中学校を視察。無人ながらきれいに清掃された様子に言葉を失う川﨑選手

子供たちの明るいパワーの中で

 午後、「恩返し夢授業」のイベントが福島市飯野町に仮設されている飯館中学校で行われました。

 最初は、体育館での野球教室。参加したのは、飯館中学と飯野中学、2つの学校の野球部メンバー、そして飯野町の小学生スポーツ少年団のメンバー約50人。一人一人とハイタッチしながら入場した川﨑選手は、「Nice to meet you! 今日はボクが持っているものを全部伝授します」と英語を交えて挨拶し、会場の空気を一気に和らげます。そして「ムネ流ストレッチ」からランニング、ボールの握り方のレッスン、キャッチボール、さらにはゴロ捕球の練習まで、約1時間、自ら汗だくになりながら指導を行いました。

 憧れの選手と共に体を動かした生徒たちは、みんなかなりのハイテンションに。
「遠いところから来てくれてとてもうれしいです。教えてもらったことを活かしてこれからもがんばりたい」(飯館中野球部キャプテンの佐藤清和君)と、大きな励みになったようです。

野球教室はムネ流ストレッチからスタート ボールの握り方からピッチングまで伝授

小学生投手の剛速球にムネセンも感動! 野球プレーヤー同士としてのコミュニケーションも 生徒たちの生き生きとした表情が印象的

「思うままに進んでほしい」

 そしてイベントは校舎に会場を移してトークライブ、さらに教室での「夢授業」へと続きます。授業では、飯館中の野球部員と一年生を前に、家族の絆をテーマに、メジャーリーグで活躍するまでの自らの野球人生について語りました。生徒たちの質問にも一つ一つ丁寧に答えた川﨑選手は、締めくくりとして出身地鹿児島の方言でおなじみの「チェスト!」を贈る言葉に。

「思うままに進め、突っ込んで行け、という意味です。今すぐやりたいことを決めなくてもいい。人生その時々の決断があっていいと思う。前を向いて自分の足で立って、考えて、切り開いていこう」
 厳しい避難生活の中での印象深いイベント。飯館村の子供たちにとって、そして川﨑選手にとっても、深く心に残るひと時となったのではないでしょうか。

野球教室の後は、生徒や父兄など大勢が参加したトークライブ

教室で行われた授業のテーマは「家族の絆」 教壇に立ち「やりたいことに突き進もう」と力説 真剣な表情で一言ひとことに聞き入る生徒たち 生徒と共に、復興に向けた飯館村の合言葉「までい」(ゆっくり丁寧に)のポーズ

復興支援プロジェクト 川﨑宗則の恩返し夢授業in 飯館村

※取材:2014年12月